プーリーのスタンダード

STANDARDS of THE PULI

★THIS IS THE PULI★

FCIスタンダード No.55

  • 原産国
    • ハンガリー
  • 用途
    • ハーディング・ドッグ
  • FCI分類
    • グループ1  シープドッグ&キャトルドッグ(スイスキャトルドッグは除く) セッション1 シープドッグ

各国団体のグループ分類

JKC・FCI=1グループ ・ AKC=ハーディンググループ ・ KC(UK)=パストラル ・ ANKC=Group5(ワーキング) ・ CKC=Group7(ハーディングドッグ) ・ NZKC=ワーキング


沿革用途
プーリーと言えば犬種の中でも珍しいコーデットコート(縄状毛)が魅力的ですが、朗らかで優しく、賢いその性格にプーリーの好さを感じられます。
プーリーは、原産国ハンガリーのシープドッグ(牧羊犬)で1000年以上もの間、羊飼いの生活の主要部分を占めてきました。最も得意とする羊の世話で、群から離れた羊の背中に飛び乗って方向転換させ、元の群に戻らせるという特技は有名です。また、大変個性的で、主人には忠実でありつつ忍耐力にも富み、利発で、多才。訓練性能も高く、警察犬として用いられていたこともあり、単語の記憶数、アメリカ農林省の実験調査によると、知能指数は全ての犬種のトップ占めたこともあるという大変優秀な犬種です。
最大の特徴であるコーデットコートは、大陸の寒暖の激しい気候や害獣の牙から身を守る保護装備だと言われています。


犬種標準

全体的形態
体高と体長が等しい筋肉たくましい中型犬で全身が縄状の被毛に覆われている。繊細ではあるが弱々しくはない骨格。痩せ気味の身体の全ての部分に筋肉が発達してる。

頭 部
頭部は体高の45%の長さで、被毛は殆ど頭部を円形に見せるほど豊富であり、正面から見た場合円形で側面からは楕円形。頭蓋はわずかにドーム型、鼻は黒く程よい大きさで、どちらかと言うと小さく、マズルは尖っておらず、鼻筋は、真直ぐであること。ストップは明確であるが急ではない。鼻梁は頭部の35%の長さ、耳は高く幅広の付け根。丸みのあるV字形の垂れ耳で、長さはほぼ頭の半分である。目は丸みを帯びたアーモンド形で、左右の眼は、適度に離れており、暗色が望ましい。歯は健全で、噛み合せはシザースバイト。

中程度の長さで、固く締まり筋肉質。背線(水平線)に対し45度の角度をとる。豊富なコートに覆われている。

中程度の高さに位置し、しっかりと背上に巻いて、そのコートが身体のコートと交じり合い見分けがつかない。尾を引き伸ばした場合、先端は、飛節まで達する。
胴 体

背は水平で強く、尾の付き方のため後方に向かうにつれて上がっている様に見える。胸は適度に幅広で深く、肋骨はよく張り出しており、腰部は短くたくましく適度に巻き上がっている。
四 肢
肩は後方によく傾斜し、キ甲から直線を引くと、胸部のフロントの最も深い部分に接する。肩甲骨と上腕骨の接合する角度は100~110度をとる。上腕は中程度の長さで筋肉がよく発達している。前肢は真直ぐで強く、骨量は中程度、上腕と前腕の接合する角度は120~130度をとる。足は短く丸く引き締まって、パッド及び爪は、黒あるいは青みを帯びた灰色である。後肢はよく発達し、ポジションは適度に幅広く、平行している。寛骨と大腿骨の接合する角度は100~110度をとる。膝関節の角度は100~110度をとる。大腿も下腿も長く、筋肉質で前駆とバランスが取れた構成である。飛節は地面に対し、垂直で十分に低い。後足は前足に比べ多少平であるが類似している。
サイズ・体重
雄で体高39~45(41~43が理想)cm  体重13~15㎏
雌で体高36~42(38~40が理想)cm  体重10~13㎏

歩 様
 生き生きとしており活発である。歩幅は短いが決して小刻みなちょこちょこ歩きではなく、ぎこちなかったりはしない。全速力トロットでは長いリーチと十分な推進力でなめらかでかつ効果的に大地を進む。スピードが増すにつれ足は自然にボディの中心に向く。ギャロップは速く、特徴的な弾むゴムまりの様で非常に小回りがきく。しばしばプーリーに特徴的な、細かく、くるくるとすばやく回る傾向がある。その特徴的な歩様は牧羊犬プーリーには不可欠なものである。
ふるまいと性格
いきいきとして活発な性質で、非常に従順で学習能力の高い犬種、子供好きで理想的な番犬である。

皮 膚
皺がなく、ぴんと張っており、色素が濃く沈着している。表皮はコートの色に関わらず黒か濃い青灰色。

被 毛
仔犬の頃は密でウェーブがかかっているか、カールしている。上毛は波状毛、あるいは巻き毛であり、絹糸状ではない。下毛は柔らかく羊毛状で密である。上毛と下毛のバランスがよく、自然に絡み合い縄状毛にならなければならない。毛質とバランスによりコード状かリボン状に分かれる。また、その形状や厚みも変化する。正しい毛質と2重毛であることが最低限の条件である。コートの長さは後半身、腰部、背中の部分で最も長く20~30cm。短いのは頭部と四肢の部分で、10~12cm。頭部はしっかりとした縄状の被毛で覆われ、目と鼻の部分を隠しているものが理想的である。櫛を入れているもの、手入れを怠っているもの、もつれたコートは望ましくない。

毛 色
ハンガリー、FCI加盟国、AKCでは、基本的にブラック・ホワイトに分類される。ブラックは、ブラック、錆色(黄・赤褐色)がかったブラック、グレイの全色調で、全体的に単色の外観を保持する限りにおいて、グレイ・ブラック・白い毛が多少混じっても良い。胸に出る白斑は、直径5cm以下のものは、許容される。マスコシュ・ファコー(顔、耳、背中、尾にブラックがのっている*ファコーカラー)ホワイトは、単色のみ。(パールホワイト、ただし砂色の陰影が入っていない事)

  • ハンガリー、FCI加盟国では、ブラック・ホワイトでのバラエティとなっている。

認められていないカラー

2色以上のカラー、チョコレートカラー、ファコーカラー(枯れ草のような色=フォーン、アプリコット、オレンジ等)〈マスクの無い耳、背中、尾にブラックのならないファコーカラー〉
プーリーのコートは、下毛が抜けて上毛に絡み、形成され押し出され伸びていき毛先にいくにつれ死毛で傷んでいくので根元と毛先ではコートの状態、カラーも異なっていることが、自然な状態です


各国団体のスタンダード

AKC(アメリカンケネルクラブ)  KC(ザ・ケネルクラブ/イギリス)  ANKC(オーストラリアンナショナルケネルカウンシル)  NZKC(ニュージーランドケネルクラブ)    JKC(ジャパンケネルクラブ) JKCは「スタンダード」の要点を記したページ。(詳しいスタンダードは「JKC全犬種標準書第10版」あり)