プーリーのコートグルーミングの方法

プーリーの被毛は、ベビー、パピー、ジュニア、アダルトと変化しますので、その都度合った手入れと管理が必要です。

はじめに・・・

ブラッシングは、仔犬のうちのベビー・コートの時しか出来ませんので、出来るだけ地肌に刺激を与えて、丈夫にしてあげる目的で、しっかり行いましょう。目安としては、犬の月齢が5、6ヶ月になる頃、大体5ヶ月いっぱい位までと考えてください。ベビーコートからパピーコートに変化する時期で下毛が出てきたら、基本的にそれ以降は一切ブラッシングは、行いません。ブラッシングも仔犬の毛質、毛量により個体差がありますので注意して行いましょう。コートの状態を日頃からしっかりと管理する様にして下さい。ブラッシングは、毛をほぐすと言うよりも、皮膚に刺激を与えることが目的ですので、ブラシは、毛抜けの少ない上質なピン・ブラシを使用してください。ブラッシングを止めた時期に1度シャンプーすると良いでしょう。これからしばらくの間、パピーの時期は、風邪もひき易く、何よりコートが形成される時期なのでシャンプーは、控えたほうが良いです。(シャンプーは、プーリーのシャンプーについて参照)
プーリーのコートは、じっくり時間をかけて形成されるものです。焦らずコートの状態を管理して適切に手入れしていきましょう。

パピーコート
月齢5,6ヶ月頃~房状にまとまり始めています。

ジュニアコート

月齢10ヶ月頃~束にまとまりだした毛が絡み始めた状態。この時期の毛の管理が1番重要です。大きな毛玉ならないように、小まめにチェックしましょう。

  • この時期に「毛玉」と判断され、ほぐされたり、刈られてしまわないように注意して下さい。

ヤングコート

月齢1年半頃でしっかりと絡み、1本1本の区別がはっきりし縄状に形成される。コートの変化は、この時期頃まででこの状態で常に絡みながら伸びていきます。

アダルトコート

被毛は、年間で10㎝程度伸びます。絡みながら伸び続けフルコートになるまでは、順調にいって4~5年かかります。



コートに関して、基本的に絡み始めるまでは、特に何もする必要は有りませんが、コートの状態等は、常にチェックしてあげて下さい。

前にも説明してありますが、月齢10ヶ月頃(換毛期にも左右されるが)からコートの根元の方で皮膚を覆うように絡まりマット状になり始めます。

  • 通常であればこの状態を「毛玉」と判断されますが、プーリーの場合、これは健全な成長の証ですので、伸びて絡み続けるのをじっと待ち続けます。

特に絡みやすい部位(写真参照)について、団子状にならない様に注意して適度な太さに裂いていきます。

裂く作業の時には、必ず指先を水で濡らすか、コートに軽く霧吹きして手指を使って裂いていきます。

この様にコートの根元で絡んでいたり、2・3本まとまっているのを根元の太さで、直径2cm(手の親指)程度を目安に裂きます。

根元でまとまっている状態

ただし決して細かく裂きすぎないよう注意して下さい。特に絡み始めのジュニア~ヤング時期のコートを手入れする時が大事です。1本が細いな~と思われる場合、裂かずに1・2本まとまって絡むのを待ちます。

裂く時は毛先から根元に向かって裂いていきます。
あまり勢いよく裂くと地肌まで裂けてしまう事があるので気をつけましょう。

必ず裂け目(地肌)がしっかり見える様に裂いてください。地肌が見えていないと、中でムレて皮膚病などの原因になることがあります。特に耳、尾等注意して作業して下さい。

プーリーのコートの手入れについては、この様な方法で行います。この作業をコートが伸びるのにそって、絡んだ箇所を裂いていきます。数日に一度程度全身のコートの様子をチェクしてあげましょう。普段ソファーに腰掛けテレビを見ながらでも出来る作業です。愛犬とのスキンシップを兼ねて行ってください。


絡みがひどく団子状になったり、手で避けない場合は、タングルカッター(毛玉切り)などを用いると良いでしょう。裂いた後は、少しだらしない感じになりますが、数日でわからなくなります。
ハサミ又は、タングルカッターでもナイフの刃のような鋭いタイプの物はトップコートまで切ってしまう事になるので注意して下さい。

  • トップコートが切れ根元で細くなり、ちぎれ易くなる場合があります。

ひどい絡み方や、団子状になった状態は一見すると毛玉だらけになっているように見えるため、通常ペットサロン等では「毛玉」と判断され、バリカンなどで丸刈りされてしまいかねません。とにかく、すぐバリカン等で毛を刈り取ってしまう前に、1度ご相談ください。プーリーのコートはしっかり絡むことが大事です。絡まないコートより、絡むコートの方が手入れがしやすいです。毛質によりますが、絡みにくいコートの場合もあきらめずご相談ください。バリカンで毛を刈ってしまったり、ブラッシングを続けていると、コートが再生(絡みにくくなる)しなくなる恐れがあります。ちぎれ毛も同様なので十分気をつけてください。

 

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